近現代
マニフェスト・デスティニー
別名: 明白なる運命・明白な天命
関連国・地域: US
19世紀のアメリカ合衆国で広まった、大陸を西へ拡張することは神から与えられた「明白な運命」であるとする考え方。この語は1845年、ジャーナリストのジョン・オサリヴァンがテキサス併合とオレゴン境界問題を論じた文章で用いたことから広まったとされる。共和政の自由な制度を広める使命という理念と、農地や港湾を求める現実の利害が結びついており、テキサス併合(1845年)、オレゴン条約による北西部の境界確定(1846年)、米墨戦争(1846〜1848年)によるカリフォルニアなど広大な領土の獲得を正当化する論理として用いられた。1862年のホームステッド法や大陸横断鉄道の開通は、この拡張を実際の入植として支えた。他方でこの思想は、先住民を「文明化されていない」存在とみなす見方と結びつき、強制移住や保留地政策の根拠にもなった。また新たに獲得した領土で奴隷制を認めるかどうかをめぐる対立は南北の亀裂を深め、南北戦争へ至る一因となった。19世紀末には、海外の領土や市場へ関心を向ける膨張論を支える発想としても援用された。