古代

民主主義

別名: デモクラシー

関連国・地域: GR, GB, US, FR

人民が主権を持ち、直接または代表者を通じて政治に参加する政治原理・制度。語は古代ギリシャ語の「デーモクラティア(demos=人民、kratos=支配)」に由来する。前5世紀のアテナイでは、成年男性市民が民会に直接参加して立法や外交を決め、多くの公職を抽選で選び、陪審員に日当を支給する仕組みが整えられた。ただし参加資格は成年男性市民に限られ、女性・在留外国人・奴隷は除外されていた。ローマは元老院と民会を組み合わせた共和政をとり、中世ヨーロッパでは身分制議会や都市自治が発達したが、いずれも近代の民主主義とは前提を異にする。近代民主主義は、ホッブズ・ロック・ルソーらの社会契約論と啓蒙思想を理論的基礎とし、1688年の名誉革命と権利章典、アメリカ独立革命、フランス革命を経て制度化された。モンテスキューが説いた権力分立、法の支配、成文憲法による統治権の制限(立憲主義)と結びついている点が特徴である。実際の運用形態としては、有権者が代表を選ぶ間接民主制(代議制)が中心で、国民投票や住民投票が直接民主制的な補完として用いられる。執政制度では議院内閣制と大統領制が代表的な類型となる。選挙権の範囲は当初、財産や納税額による制限選挙にとどまり、19世紀から20世紀にかけて男性普通選挙、次いで女性参政権へと拡大した。女性の国政参政権は1893年のニュージーランドが最初期の例で、日本では1945年に認められた。20世紀には多数決が少数者の権利を侵しうるという「多数の専制」の問題や、大衆の支持を背景に権威主義へ転じる事例が議論され、司法審査・人権保障・報道の自由・複数政党制などが不可欠の条件として重視されるようになった。

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