古代
ノク文化とテラコッタ彫刻
🇳🇬ナイジェリア
ナイジェリア中部、ジョス高原とその周辺で栄えた鉄器時代の文化。1928年に高原の錫採掘現場でテラコッタ(素焼き)の頭像が見つかり、出土地に近いノク村の名で呼ばれるようになった。1940年代以降、バーナード・ファッグらによって体系的な調査が進められ、放射性炭素年代や熱ルミネッセンス法による測定から、おおむね紀元前1千年紀から紀元後数世紀にかけて営まれた文化と考えられている。最もよく知られるのは人物を表したテラコッタ像で、等身大に近い大きさのものもあり、三角形や楕円形に形づくられた目、精緻に表現された結髪や装身具など、様式上の共通点がみられる。あわせて製鉄炉の跡や鉄滓が確認されており、サハラ以南のアフリカにおける早い時期の製鉄を示す例として注目されてきた。担い手と後代の諸民族との関係は明らかでないが、その造形はのちのイフェやベニンの彫刻へと続く西アフリカ彫刻史の出発点として位置づけられることが多い。出土品の多くは盗掘と国外への流出という問題にも直面しており、保護が課題となっている。