近現代
ジェノサイド条約
別名: Genocide Convention・集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約・Convention on the Prevention and Punishment of the Crime of Genocide・CPPCG
関連国・地域: IL, PL, DE, AM
1948年12月9日に国連総会で採択された、ジェノサイド(集団殺害)を国際犯罪として定義・禁止する国際条約(翌年から署名開放、1951年発効)。ポーランド出身のユダヤ人法学者ラファエル・レムキンが1944年の著書『占領下ヨーロッパにおける枢軸国の支配』で造語した「ジェノサイド(genocide、ギリシャ語 genos〈種族〉+ラテン語 caedere〈殺す〉)」を国際法上の犯罪類型として確立した。第2条は「国民的・民族的・人種的・宗教的集団」の全部または一部を破壊する意図で行われる①殺害、②重大な身体的・精神的危害、③生活条件の破壊、④出生妨害、⑤児童の強制移送を列挙し、未遂・教唆・共謀も処罰対象とする。2024年時点で153か国が批准しているが、重要な留保も多い(例:アメリカは1988年批准時に第9条の国際司法裁判所(ICJ)管轄権に留保を付した)。第9条に基づき、ICJはボスニアvsセルビア・モンテネグロ裁判(1993)、ガンビアvsミャンマー裁判(2019、ロヒンギャ事件)、南アフリカvsイスラエル裁判(2023)などを審理してきた。政治的・階級的集団が対象から除外された点は成立当初から批判が根強く、「文化的ジェノサイド」「エコサイド(生態系破壊)」など概念拡張の議論が現在も続く。