近現代
入植者植民地主義
別名: Settler colonialism・入植植民地主義・入植型植民地主義
関連国・地域: AU, US, CA, NZ, IL, NA
宗主国から送り込まれた入植者が先住民の土地を恒久的に奪取し、先住民社会そのものを置換ないし消去しようとする形態の植民地主義。単なる資源搾取・遠隔統治を目的とする「搾取型植民地主義」と区別される概念で、オーストラリア・ニュージーランド・北米・南アフリカ・アルジェリア・パレスチナなどが典型例とされる。学術概念としては1990〜2000年代にパトリック・ウルフらオーストラリア学派によって発展し、「土地への論理(logic of elimination)」をキー概念として、先住民絶滅・強制移住・文化同化・土地登記制度の操作といった継続的メカニズムを分析する。タスマニア・アボリジニの絶滅(1803〜1876)、アメリカ先住民の涙の道(1830)、コンゴ自由国(1885〜1908)、ヘレロ・ナマ虐殺(1904〜1908)、南アフリカのアパルトヘイト(1948〜1994)は、入植者植民地主義がジェノサイドや制度的抑圧に至った代表的事例。現在のパレスチナ問題や各地の先住民の主権回復運動においても分析枠組みとして用いられ、「脱植民地化(decolonization)」議論の中核概念となっている。