中世
トヴルトコ1世の戴冠とボスニア王国の成立
🇧🇦ボスニア・ヘルツェゴビナ
1353年からボスニアのバン(太守)であったトヴルトコ1世(コトロマニッチ家)が、1377年に王位に就いてボスニア王国が成立した。ボスニアは12世紀以降ハンガリー王の宗主権のもとで自立的なバン領として発展しており、トヴルトコ1世は内乱と対ハンガリー関係を切り抜けたのち、セルビアのネマニッチ朝の血統を根拠に「セルビア人、ボスニア、沿岸地方および西方諸地の王」を称した。戴冠の場所については、ボスニア中部のミレとする説とセルビアのミレシェヴァ修道院とする説があり、史料上の論争が続いている。トヴルトコ1世の治世にボスニアはアドリア海沿岸のフム(後のヘルツェゴビナ)やダルマチアの諸都市へ勢力を広げ、中世を通じて最大の版図に達した。国内ではカトリック・正教会と並んで独自の「ボスニア教会」が存在し、宗教的に複合的な社会が形づくられていた。