中世

スノッリ・ストゥルルソンとサガ文学の黄金期

🇮🇸アイスランド

スノッリ・ストゥルルソン(1179〜1241)は、南部オッディの有力者ヨーン・ロプツソンのもとで養育された首長・詩人で、アルシングの法のスピーカーを二度務めた当代随一の権力者でもあった。13世紀前半に、宮廷詩(スカルド詩)の作法と北欧神話の枠組みを体系的に解説した『散文のエッダ(スノッリのエッダ)』と、ノルウェー歴代王の事績を語る『ヘイムスクリングラ(世界の環)』を著したとされ、キリスト教化以後に失われつつあった異教時代の神話・伝承を書き留めた。同じ13世紀には『ニャールのサガ』『エギルのサガ』など入植期の家族と抗争を描く「アイスランド人のサガ」群も成立し、ラテン語ではなく自国語の散文で歴史と物語を語るという、ヨーロッパでも独自の文学伝統が築かれた。スノッリ自身は内乱の続くスツルング時代の政争に巻き込まれ、1241年、ノルウェー王ホーコン4世の意を受けた政敵によって自邸レイクホルトで殺害された。

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