中世

スンジャタ・ケイタ

別名: スンジャタ・スンディアタ・マリ・ジャタ・Sundiata Keita・Soundiata

13世紀の西アフリカに成立したマリ帝国の創始者。マンディンカ(マリンケ)の有力氏族ケイタ家の出身とされるが、生没年は確かでなく、活動時期はおおむね13世紀前半と考えられている。当時ニジェール川上流域では、ソソ(スス)王国のスマオロ・カンテがガーナ王国の衰退後の空白を埋めて勢力を広げており、スンジャタは各地のマンディンカ諸氏族を結集してこれに対抗した。1235年頃のクリナの戦いでスマオロを破り、諸勢力の盟主として「マンサ(王)」を称したことがマリ帝国の始まりとされる。帝国はニアニを中心に、南方のバンブクやブレの金産地と、サハラを越えて運ばれる岩塩とを結ぶ交易路を押さえ、後のマンサ・ムーサの時代の繁栄の基礎を築いた。統治にあたっては氏族ごとの役割分担や紛争解決の規範を定めたと伝えられ、その内容は口承で受け継がれた「クルカン・フガ(マンデン憲章)」として知られ、2009年にユネスコの無形文化遺産一覧表に記載された。彼の生涯を語る叙事詩『スンジャタ』は、ジェリ(グリオ)と呼ばれる語り部によって今日まで伝えられており、幼少期に歩くことができなかった少年が立ち上がって王となるという物語は、西アフリカを代表する口承文学となっている。ただしこれらの伝承は後世に整理されたもので、同時代の文字史料は乏しく、事績の細部を史実として確定することは難しい。

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