社会主義
別名: ソーシャリズム
関連国・地域: FR, DE, RU
生産手段を社会が共同で所有・管理することによって、資本主義の下で生じる格差や貧困を是正しようとする思想と、それに基づく社会体制の総称。19世紀前半のヨーロッパで、産業革命がもたらした労働者の窮乏を背景に、サン=シモン、フーリエ、ロバート・オーウェンらが理想的な共同社会の構想を唱えた(のちにマルクスらから「空想的社会主義」と呼ばれた)。マルクスとエンゲルスは1848年の『共産党宣言』などで、資本主義の分析と階級闘争の理論に基づく体系を示し、これが以後の運動の中心的な理論となった。19世紀後半には各国に社会主義政党や労働組合が生まれ、第一インターナショナル・第二インターナショナルを通じて国際的な連携が図られたが、革命によって体制の転換を目指す潮流と、議会を通じた漸進的改革を重んじる潮流(ベルンシュタインらの修正主義、社会民主主義)とに分かれていった。1917年のロシア革命はレーニンの指導する前者の系譜から生まれ、ソ連では生産手段の国有化と中央集権的な計画経済が実施された。第二次世界大戦後は東欧・中国・キューバ・ベトナムなどにも同様の体制が広がり、アジア・アフリカの新興国でも民族主義と結びついた独自の社会主義が掲げられた。他方、西ヨーロッパの社会民主主義政党は市場経済を前提としつつ、基幹産業の国有化や社会保障制度の拡充を通じた福祉国家の形成を担った。計画経済の非効率や政治的自由の制限は次第に批判を集め、1989年の東欧革命と1991年のソ連解体によって多くの社会主義体制は崩壊し、中国やベトナムは共産党の一党支配を保ちながら市場経済を導入する路線に転換した。現在も社会主義は、格差是正や公共部門の役割をめぐる議論のなかで多様な形で参照されている。