中世
ラリベラの岩窟教会群の建設
🇪🇹エチオピア
ザグウェ朝の王ゲブレ・メスケル・ラリベラの治世(12世紀末〜13世紀初頭)を中心に、エチオピア高原の町ロハ(後にラリベラと改称)で、凝灰岩の岩盤を地表から垂直に掘り下げて内部を刳り貫く手法により11の岩窟教会が造られた。周囲の岩から完全に切り離された「一枚岩の教会」が含まれ、最大のメドハネ・アレム教会や十字形の平面をもつギヨルギス(聖ゲオルギウス)教会がよく知られる。教会群は溝や地下通路で互いに結ばれ、傍らを流れる小川は「ヨルダン川」と呼ばれるなど、聖地エルサレムの地形を地上に写し取る構想がうかがえる。1187年のサラーフ・アッディーンによるエルサレム占領で巡礼が困難になったことを背景に「第二のエルサレム」を築こうとしたと伝えられるが、建設の年代や工程には諸説があり、既存の岩窟構造物を改修・拡張したとみる研究もある。教会群は現在もエチオピア正教会の重要な巡礼地として生きた信仰の場であり続けており、1978年に世界遺産の第1回登録リストに加えられた。