近世1791年 〜 1856年
サイイド・サイード
別名: サイード・ビン・スルターン・サイイド・サイード・ビン・スルターン・Said bin Sultan
ブーサイード朝オマーンのスルターン(在位1804〜1856年)。18世紀半ばに成立したブーサイード朝の君主として、マスカトを拠点にインド洋西部へ勢力を広げた。艦隊を整備して東アフリカ沿岸(スワヒリ海岸)の諸港を服属させ、モンバサを支配下に置くなど海洋帝国を築いた。1840年には居所をマスカトからザンジバル島へ移し、同島にクローブ(丁子)のプランテーションを導入して象牙とともに主要輸出品に育てた。インド系商人の資本を活用した交易網はアラビア半島・インド・東アフリカを結んだが、同時に東アフリカ内陸からの奴隷交易にも依存しており、イギリスとの間で交わされた一連の協定によって取引は段階的に制限された。1856年に死去すると領国は継承争いを経て分割され、1861年のイギリスによる裁定(キャニング裁定)でマスカト・オマーンとザンジバルの2国に分かれた。